2017年11月29日

大和和紀「イシュタルの娘〜小野於通伝〜」その64感想・最終回〈BE・LOVE2017-22〉

「イシュタルの娘〜小野於通伝〜」最終回 〈伝その64 夜明けをもたらす者〉
大和和紀(36ページ)カラー扉1ページ
「BE‐LOVE(ビーラブ) 2017年11月15日号(22号)」講談社(2017年11月1日発売)

《感想》
雑誌巻頭カラーページは雑誌連載作家19人からのイシュタルの娘最終回記念トリビュートイラスト。

本編扉カラーイラストは、コミックス16巻(最終巻)の一部色替え。

8年の連載が最終回。
主人公が過去を振り返りながらこの世を去る、よくあるラスト。
物語の破綻もなく、華麗な絵柄を維持して、無事に走り抜けました。
史実に関係ない最後の種明かしは、片方はなんとなく思っていたけどもう片方は予想外だと笑ってしまう。
大和和紀先生お疲れさまでした。

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BE・LOVE 2017年22号11月15日号 [2017年11月1日発売] [雑誌]
【アマゾン】電子書籍版あり


「イシュタルの娘〜小野於通伝〜」大和和紀|BE・LOVE|講談社コミックプラス
(出版社公式ページ)
※第1話試し読み。最新話のダイジェスト。

BE・LOVE|講談社コミックプラス
雑誌公式サイト

★コミックス(16)最終巻は2017年11月13日発売。



《あらすじは続きへ》
《あらすじ》
中宮(和子)が生んだ後水尾帝の皇太子・高仁親王が1歳で没する。
翌年、和子が再び皇子を生むが、10日足らずで早世する。
さらに叔父の八条宮も亡くなり、後水尾帝が譲位する望みが断たれる。

寛永6年、「紫衣事件」が起こる。
天皇の権限である紫衣(高僧が着用する紫色の法衣)の勅許に幕府が異を唱え、勅許状を無効にしたり抗議した僧侶を流罪にした事件。
これにより幕府と皇室の対立が明らかになった。

後水尾帝と和子の間にまた女児が生まれる。

屋敷で心穏やかに仏画を描いている於通。
自分を心配してそばにいてくれる娘の於図に、自分が死んだら夫の信政のところに行くように勧める。
再び絵を描きながら、信長・秀吉・家康ら見送った天下人たちを思い出す。

痘瘡にかかった将軍・家光を、おふくは自ら寝ずの看病をする。看病する中、大事に育てた家光を、道具のように考えていた鬼のような自分に気づく。

家光の熱が下がり、おふくはさらなる家光の回復を祈念しに伊勢神宮を参拝する。
途中、慶光院という尼寺に立ち寄ったとき、挨拶にきた若く美しい庵主(六条家の姫君)に関心を持つ。
おふくは庵主を還俗させ、のちに家光の愛妾・お万の方とする。

旅のついでに上洛し、後水尾帝に面会を申し出る。
帝はおふくの身分が低いことを理由に会うのを拒む。
おふくは幼いころこき使われた三条西家に赴き、当主の猶妹(義理の妹)の名義で宮中に上がる。

紫宸殿に上がり、帝の面会を待つおふくの前に於通が現れる。
おふくが帝に、和子が生んだ興子内親王への譲位を迫るつもりだと看破し、くぎをさす。
徳川家の血を引く内親王が女帝になっても、結婚することはできないから後を継ぐ子供は産めない。徳川家の血を皇統に入れることはできないと教える。
去ろうとする於通に、おふくは血で汚れた自分の生き方を嘆き訴える。於通はおふくに、その道しか生きられないなら、恥じることはないと言い残す。

稲葉ふくは従三位春日局の名号を賜り、帝に拝謁する。

その2日後、後水尾帝が突然退位し、8歳の興子内親王に譲位し、明正天皇の即位となる。
明正帝は次の男子が生まれるまでの中継ぎで、異腹弟が生まれるまで14年間帝位につく。
後水尾院は以後4代51年にわたり院政を行う。

家光には鷹司家から御台(将軍の正妻)を迎え、還俗させた六条家の姫は側室・お万の方として家光に気に入られていた。
しかし春日局は、皇室や公家が将軍家の外戚として力を持たないように、公家出身の姫たちに家光の子を妊娠させないようにした。
春日局は徳川家のため、自らは鬼となり修羅の道を行くことを決めた。

体調を崩して寝込んでいた於通は、先にあの世へ逝った人たちの夢を見た。
様子を見に来た娘に、少し先に男の子を生むと予言する。

心臓が弱り、いよいよ長くない於通の枕元に、飯綱太夫とぬばたまが訪れる。
はじめて覆面を取り素顔を見せたぬばたまは、飯綱太夫と同じ顔をしていた。どちらも一族の女たちが代々引き継いでいたことにやっと於通も気づいた。
眠るように息を引き取った於通を、先に逝った夫の信尹や親しい人たちが迎えに来た。

寛永8年、小野於通、没。享年64歳。

真田信之は息子や孫に先立たれ後継問題に苦悩し、幕府による家のお取り潰しと戦い、94歳の生涯を閉じる。

娘の於図は、於通の死後は真田信政に伴われ江戸に赴く。
真田家江戸屋敷で次男・信就を生む。
信就は真田分家の祖となる。


小野於通は桃山文化の華であった

いま わたしたちは
彼女が残した書画でしか
その自由で豊かな人生を
知ることはできない

生涯を自由人として
権力にも寄らず
ただひとり 市井の人として生きた

於通の墓はどこにもない

[了]

《戦国時代の着物などの参考文献》
時代考証・日本文化/和服参考文献@夏貸文庫

《小野於通関連書籍》
小野於通(おののおつう/小野お通)に関する書籍

信尹の素顔と太郎姫『三藐院 近衛信尹―残された手紙から』前田多美子〈思文閣出版〉

posted by 詞己 at 18:12| 「イシュタルの娘」感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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